2026年09月30日

屋根の暑さ対策として使われる遮熱塗料ですが、「本当に室内が涼しくなるのか」「電気代を下げられるのか」と疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
遮熱塗料には、太陽光の一部を反射して屋根表面の温度上昇を抑える効果があります。ただし、屋根の表面温度が下がった分だけ室温も下がるわけではありません。建物の断熱性能や屋根材、空調設備などによって効果は変わります。
この記事では、屋根の遮熱塗料に期待できる効果について、表面温度・室温・電気代の3つの観点から解説します。遮熱塗料の効果が出やすい建物や出にくいケース、遮熱シートとの違いも紹介するので、屋根の暑さ対策を検討している方は参考にしてください。
屋根の遮熱塗料にはどんな効果がある?
遮熱塗料に期待できる代表的な効果は、太陽光による屋根表面の温度上昇を抑えることです。
夏場の屋根は長時間にわたって日射を受けます。太陽光のエネルギーを屋根材が吸収すると表面温度が上昇し、その熱が建物内部へ伝わります。
遮熱塗料を施工すると太陽光の一部を反射できるため、一般的な塗料と比較して屋根材が吸収する熱を減らす効果が期待できます。
屋根から建物内部へ伝わる熱を減らせれば、室温上昇や空調負荷を抑えることにもつながります。
ただし、遮熱塗料そのものが冷気を発生させるわけではありません。あくまで屋根が吸収する熱を減らすものであり、室温への効果は建物の構造や使用環境によって異なります。
そのため、遮熱塗料の効果を考える際には、「屋根表面」「室温」「空調負荷」を分けて考えることが重要です。
遮熱塗料の仕組み
遮熱塗料は、太陽光に含まれる近赤外線などを反射し、屋根材が吸収する熱を抑える仕組みです。
一般的な屋根では、太陽光を受けると屋根材がエネルギーを吸収し、表面温度が上昇します。その熱が屋根材や天井などを通じて室内へ伝わることで、建物内部の温度上昇につながります。
遮熱塗料を屋根表面に施工すると、太陽光の一部を反射するため、屋根材が吸収するエネルギーを減らせます。
ただし、遮熱性能はすべての製品で同じではありません。塗料の種類や色、日射反射率などによって性能が異なります。
また、遮熱塗料と断熱材では仕組みも異なります。遮熱塗料は主に日射を反射するものであるのに対して、断熱材は熱が伝わる速度を抑えるものです。
それぞれ役割が異なるため、建物の暑さの原因に合わせて選択する必要があります。
屋根の表面温度はどれくらい変わる?
遮熱塗料の効果を確認しやすいのが、屋根の表面温度です。
遮熱塗料は太陽光の一部を反射するため、一般的な塗料を使用した場合と比較して表面温度の上昇を抑えられる可能性があります。
ただし、「遮熱塗料を塗れば必ず○℃下がる」と一律にはいえません。
屋根の表面温度は、外気温だけでなく日射量や屋根材、塗料の色、施工環境などによって変わります。同じ遮熱塗料を使用していても、建物によって結果が異なる可能性があります。
特に色は遮熱性能に関係する要素のひとつです。一般的に明るい色は日射を反射しやすく、暗い色は熱を吸収しやすい傾向があります。
遮熱塗料を選ぶ際には、製品名だけで判断せず、メーカーが公表している日射反射率や試験結果を確認しましょう。
室温はどれくらい変わる?
遮熱塗料を検討している方にとって、最も気になるのは「室内がどの程度涼しくなるのか」という点でしょう。
遮熱塗料によって屋根表面の温度上昇を抑えられれば、室内へ伝わる熱量も減らせる可能性があります。その結果として、室温上昇を抑える効果が期待できます。
ただし、屋根表面温度が10℃下がったからといって、室温も10℃下がるわけではありません。
室温には屋根以外にも、外壁や窓からの日射、断熱性能、換気量、天井高、空調設備などさまざまな要素が影響します。
工場の場合には、製造設備や機械から発生する熱も無視できません。屋根からの熱を抑えても、室内で大量の熱が発生していれば十分な温度低下を感じられない場合があります。
そのため、遮熱塗料の効果を判断する際には屋根表面温度だけではなく、施工前後の室温や作業環境まで確認することが重要です。
遮熱塗料で電気代は安くなる?
遮熱塗料によって建物内部へ伝わる熱を抑えられれば、冷房負荷が軽減され、電気代の削減につながる可能性があります。
特に夏場にエアコンを長時間使用している建物では、屋根からの熱を減らすことで空調設備が室温を維持しやすくなることが考えられます。
一方、遮熱塗料を施工しただけで必ず電気代が大幅に下がるわけではありません。
実際の電気代は、空調設備の性能や設定温度、稼働時間、建物の断熱性能、外気温、室内の発熱量などによって変わります。
そのため、「遮熱塗料を施工すると電気代が○%削減できる」といった数字だけで導入を判断するのは避けた方がよいでしょう。
工場や倉庫で省エネを目的に導入する場合には、施工前後の使用電力量を比較すると効果を判断しやすくなります。
遮熱塗料の効果が高くなりやすい建物
遮熱塗料は、屋根が受ける日射の影響が大きい建物ほど効果を実感しやすくなる可能性があります。
特に金属屋根や工場・倉庫、日射を遮るものが少ない建物では、検討する価値があります。
金属屋根
折板屋根やトタン屋根、ガルバリウム鋼板などの金属屋根は、夏場に日射を受けることで表面温度が上昇します。
特に断熱性能が十分でない建物では、屋根から伝わる熱が室内環境に影響することがあります。
屋根表面で日射を反射する遮熱塗料は、こうした金属屋根の暑さ対策のひとつです。
ただし、錆や塗膜の劣化が発生している場合には、遮熱塗料を施工する前に下地処理が必要です。
工場・倉庫
工場や倉庫は屋根面積が大きいため、建物全体で受ける日射量も大きくなります。
さらに天井が高く空間も広いため、空調設備だけで建物全体を冷やすことが難しいケースもあります。
屋根からの熱が暑さの主な原因になっている場合には、遮熱塗料によって屋根表面の温度上昇を抑えることで室内環境の改善につながる可能性があります。
一方、工場では製造設備などから大量の熱が発生している場合もあるため、屋根だけでなく建物全体の熱環境を確認することが重要です。
日射の強い建物
周囲に高い建物や樹木などがなく、屋根へ直接日射が当たり続ける建物も遮熱塗料の効果を期待しやすいと考えられます。
遮熱塗料は日射を反射することで屋根表面の温度上昇を抑えるため、日射量が多いほど対策する意味も大きくなります。
反対に、もともと日陰になる時間が長い屋根では、遮熱塗料による効果が限定的になる場合があります。
遮熱塗料の効果が出にくいケース
遮熱塗料を施工しても、建物によっては十分な効果を感じにくいことがあります。
代表的なのが、すでに高性能な断熱材が施工されている建物です。
屋根から室内への熱移動がもともと十分に抑えられている場合、遮熱塗料を追加しても室温への影響が小さくなる可能性があります。
また、室内の暑さの主な原因が屋根ではない場合も同様です。
例えば、大きな窓から大量の日射が入っていたり、製造設備から大きな熱が発生していたりする場合、屋根だけを遮熱しても暑さの根本的な解決にはなりません。
遮熱塗料を施工する前に、建物のどこから熱が入り、どこで熱が発生しているのかを確認することが重要です。
遮熱塗料の効果は何年続く?
遮熱塗料の効果が続く期間は、使用する製品や施工環境によって異なります。
屋根は紫外線や雨風に直接さらされるため、時間の経過とともに塗膜は劣化します。
塗膜が劣化すれば、屋根材を保護する性能だけでなく、遮熱性能にも影響する可能性があります。
そのため、遮熱塗料を選ぶ際には初期費用だけでなく、メーカーが示している耐候性やメンテナンス時期も確認しましょう。
特に工場や倉庫は屋根面積が大きいため、再塗装にもまとまった費用が必要になります。
初回施工費だけで比較するのではなく、将来の再塗装まで含めたライフサイクルコストで考えることが重要です。
遮熱塗料と遮熱シートではどちらが効果的?
遮熱塗料と遮熱シートはどちらも屋根の暑さ対策に使用されますが、熱へのアプローチが異なります。
| 比較項目 | 遮熱塗料 | 遮熱シート |
| 主な仕組み | 太陽光の一部を反射する | 主に輻射熱を反射する |
| 施工場所 | 屋根表面 | 屋根上・屋根下など |
| 特徴 | 屋根塗装と同時に施工できる | 輻射熱への対策ができる |
| メンテナンス | 定期的な再塗装が必要 | 製品・施工方法による |
| 向いているケース | 塗り替えと暑さ対策を同時に行いたい | 屋根からの輻射熱を抑えたい |
遮熱塗料は屋根表面の日射反射を高める方法であり、屋根の塗り替えと暑さ対策を同時に行いたい場合に適しています。
一方、アルミなどを使用した遮熱シートは、屋根から室内へ伝わる輻射熱を反射する方法です。
そのため、「どちらの方が効果が高い」と一律に判断するのではなく、建物の状況と目的から選択する必要があります。
屋根のメンテナンス時期であれば遮熱塗料、屋根から伝わる輻射熱への対策を重視するのであれば遮熱シートというように、目的を明確にすると選びやすくなります。
本格的な暑さ対策なら遮熱シートも検討
工場や倉庫で屋根から伝わる熱に悩んでいる場合には、遮熱塗料だけでなく遮熱シートも比較してみましょう。
特に折板屋根などの金属屋根では、夏場に屋根が高温になり、その熱が建物内部へ伝わります。アルミ遮熱シートは、アルミの反射性能を利用して輻射熱を抑えるという方法で暑さへアプローチします。
IRAKA THERMOでは、アルミ遮熱材「サーモバリア」を使用した工場・倉庫などの屋根遮熱工事を行っています。
重要なのは、遮熱塗料と遮熱シートのどちらかを先に決めるのではなく、建物が暑くなっている原因を確認してから対策を選ぶことです。
屋根の塗り替え時期や屋根材、既存の断熱性能、空調設備、建物内部の発熱状況によって適した方法は変わります。
遮熱塗料を検討しているものの十分な効果が得られるか判断できない場合や、工場・倉庫の暑さを本格的に改善したい場合には、遮熱シートを含めて比較したうえで、自社の建物に適した方法を検討しましょう。
カテゴリ:工場・倉庫の屋根遮熱対策ブログ



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