2026年09月15日

夏場に屋根から伝わる熱を抑える方法のひとつが、屋根への遮熱シートの施工です。
遮熱シートは、アルミなどの反射性能を利用して輻射熱を反射し、建物内部へ伝わる熱を抑えるために使用されます。工場や倉庫など、屋根面積が大きく夏場の暑さに悩みやすい建物でも利用されています。
ただし、「屋根に貼る」といっても、単純に既存屋根の表面へシートを接着するだけではありません。屋根上や屋根下への施工、屋根改修と組み合わせる方法などがあり、屋根材や建物の状態に合わせて適切な工法を選ぶ必要があります。
この記事では、屋根に貼る遮熱シートの仕組みや効果、施工方法、費用の考え方を解説します。折板屋根やスレート屋根など、屋根材による違いも紹介するので、屋根の暑さ対策を検討している方は参考にしてください。
屋根に貼る遮熱シートとは
屋根に貼る遮熱シートとは、屋根部分に施工して建物内部へ伝わる熱を抑えるための遮熱材です。
代表的な製品にはアルミを使用したものがあり、アルミの反射性能を利用して輻射熱を反射します。
夏場の屋根は太陽光を長時間受けることで高温になります。特に折板屋根やトタン屋根などの金属屋根では、屋根から伝わる熱によって室内の温熱環境が悪化する場合があります。
そこで屋根部分へ遮熱シートを施工し、室内側へ伝わる輻射熱を抑えます。
注意したいのは、遮熱シートにはさまざまな製品や施工方法があり、すべての製品を既存屋根へ直接接着するわけではないことです。
十分な遮熱性能を発揮するために空気層を必要とする製品もあります。そのため、単純に「屋根にシートを貼れば涼しくなる」と考えるのではなく、製品ごとに指定された施工方法を守ることが重要です。
遮熱シートで涼しくなる仕組み
建物に熱が伝わる方法には、伝導、対流、輻射があります。
遮熱シートが主に対策するのは輻射による熱の移動です。
太陽光によって屋根が熱せられると、その熱は屋根材などを通じて建物内部へ伝わります。遮熱シートはアルミなどの素材によって輻射熱を反射し、室内側へ移動する熱を抑えます。
一方、グラスウールやウレタンフォームなどの断熱材は、熱伝導を抑えることで熱を伝わりにくくするものです。
つまり、遮熱シートと断熱材では暑さへのアプローチが異なります。
屋根からの輻射熱が暑さの原因になっている建物では、遮熱シートを適切に施工することで室内への熱の侵入を抑える効果が期待できます。
屋根に貼る遮熱シートの効果
屋根に遮熱シートを施工する主な目的は、屋根から建物内部へ伝わる輻射熱を抑えることです。
工場や倉庫は屋根面積が広く、夏場には大量の日射を受けます。屋根全体が高温になることで、室内にいる人が屋根からの熱を感じることもあります。
遮熱シートによって屋根から伝わる熱を抑えられれば、室温上昇の抑制や作業環境の改善につながる可能性があります。
また、空調設備を使用している建物では、室内へ侵入する熱を減らすことで冷房負荷を軽減できる可能性があります。
ただし、遮熱シートを施工しただけで必ず室温が一定の温度まで下がるわけではありません。
実際の効果は、屋根材や建物の断熱性能、換気設備、空調設備、天井高、建物内部で発生する熱などによって変わります。
そのため、施工前に建物が暑くなっている原因を確認することが大切です。
屋根に遮熱シートを貼るメリット・デメリット
屋根に遮熱シートを施工する大きなメリットは、屋根から室内へ伝わる輻射熱に対策できることです。
空調設備は室内に入った熱を冷やす設備ですが、遮熱シートは室内へ伝わる熱そのものを抑えます。そのため、空調設備と組み合わせることで総合的な暑さ対策ができます。
また、既存建物へ後から施工できる工法がある点もメリットです。建物の構造によっては、大規模な建て替えを行わずに屋根の遮熱性能を高められます。
一方、施工方法には注意が必要です。
屋根上へ施工する場合には高所作業が必要となり、適切な固定ができていなければ強風による剥離や飛散につながる可能性があります。固定方法によっては屋根の防水性にも影響するため、専門的な施工が必要です。
また、遮熱シートには初期費用がかかります。費用だけではなく、遮熱性能や耐久性、施工方法、将来のメンテナンスまで含めて検討しましょう。
屋根に遮熱シートを貼る方法
屋根用遮熱シートの施工方法は、大きく屋根上から施工する方法、屋根下から施工する方法、屋根改修と組み合わせる方法があります。
どの方法が適しているかは、既存屋根の種類や劣化状態、建物の用途によって異なります。
屋根表面に施工
既存屋根の上側から遮熱シートを施工する方法です。
屋根部分で熱への対策ができるため、工場や倉庫などでも利用されています。
ただし、屋根上では雨や風の影響を受けるため、使用する製品に適した方法で確実に固定する必要があります。
特に工場などの大規模な屋根では、高所で広範囲の施工を行うことになります。安全管理も含め、専門業者への依頼が基本です。
屋根下に施工
既存屋根の室内側から遮熱シートを施工する方法です。
屋根そのものを大きく変更せずに施工できるケースがあり、既存の工場や倉庫の暑さ対策として検討できます。
屋根上から施工する方法と異なり、天候による影響を受けにくいこともあります。
一方、建物内部に梁や設備、配管などが多い場合には施工が複雑になる可能性があります。屋根下に施工できるスペースがあるか、現地で確認する必要があります。
カバー工法
既存屋根の改修を予定している場合には、カバー工法と遮熱シートを組み合わせる方法があります。
カバー工法は既存屋根の上に新しい屋根材を重ねる工法です。屋根材の間に遮熱材を施工することで、屋根改修と暑さ対策を同時に進められます。
既存屋根の劣化が進み、塗装だけでは対応できない場合にも検討できます。
ただし、新しい屋根材を重ねるため建物への荷重も増加します。既存屋根や建物の状態を確認したうえで施工方法を判断することが重要です。
屋根材別の遮熱シートの施工方法
屋根に遮熱シートを施工するときには、既存の屋根材に適した方法を選ぶ必要があります。
特に工場や倉庫では折板屋根や金属屋根が多く使用されており、それぞれの特徴を踏まえて施工します。
折板屋根
折板屋根は金属板を山形に折り曲げた屋根で、工場や倉庫、物流施設などで広く使用されています。
屋根面積が大きく、日射を受ける範囲も広いため、夏場の暑さ対策が課題になることがあります。
折板屋根への遮熱シート施工では、屋根上から施工する方法や屋根下から施工する方法などがあります。
既存屋根の状態や工場の稼働状況を確認し、適切な工法を選ぶことが重要です。
スレート屋根
スレート屋根には住宅で使用される化粧スレートのほか、工場や倉庫などで使用されてきた波形スレートなどがあります。
既存屋根の種類や状態によって施工方法が変わるため、遮熱シートを直接取り付けられるとは限りません。
特に古い建物では屋根材自体が劣化している可能性があります。
遮熱対策だけを考えるのではなく、屋根の補修や改修が必要かどうかを先に確認することが大切です。
金属屋根
トタンやガルバリウム鋼板などの金属屋根も、遮熱シートが検討される屋根のひとつです。
金属屋根は日射を受けることで高温になりやすく、断熱性能が十分でない場合には室内側でも暑さを感じることがあります。
遮熱シートを施工することで、屋根から室内へ向かう輻射熱を抑える効果が期待できます。
ただし、金属屋根にもさまざまな形状があります。固定方法や必要な空気層などを確認し、使用する遮熱材に適した施工を行う必要があります。
屋根に遮熱シートを貼る費用
遮熱シートの施工費用は、屋根面積だけでは決まりません。
使用する遮熱シートや施工方法、屋根材、建物の高さ、屋根の劣化状態などによって費用が変わります。
例えば、同じ500㎡の屋根でも、屋根上から施工する場合と建物内部から施工する場合では必要な工程が異なります。
また、高所作業車や足場が必要になれば、その分の費用も発生します。
そのため、インターネット上の㎡単価だけで予算を決めるのではなく、現地調査を行ったうえで見積もりを取得することが重要です。
工場や倉庫の場合には施工面積が大きくなりやすいため、初期費用だけでなく耐久性やメンテナンス費用まで含めて比較しましょう。
遮熱シートと遮熱塗料の違い
屋根の暑さ対策では、遮熱シートと遮熱塗料が比較されることがあります。
| 比較項目 | 遮熱シート | 遮熱塗料 |
| 主な仕組み | 輻射熱を反射する | 太陽光の一部を反射する |
| 施工場所 | 屋根上・屋根下など | 屋根表面 |
| 特徴 | 輻射熱への対策ができる | 屋根塗装と同時に施工できる |
| メンテナンス | 製品・工法による | 定期的な再塗装が必要 |
| 選びやすいケース | 屋根からの熱対策を重視する場合 | 屋根の塗り替えも必要な場合 |
遮熱塗料は屋根表面の日射反射率を高め、屋根材の温度上昇を抑える方法です。
一方、アルミなどを使用した遮熱シートは、輻射熱を反射して建物内部へ伝わる熱を抑えます。
屋根の塗り替え時期であれば遮熱塗料を検討し、屋根からの輻射熱への対策を重視するのであれば遮熱シートも比較するとよいでしょう。
屋根用遮熱シートの選び方
屋根用遮熱シートを選ぶときには、価格だけではなく遮熱性能や耐久性、施工方法を確認しましょう。
特に重要なのが、どのような条件で遮熱性能が確認されているかです。
製品によって使用する素材や構造が異なるため、メーカーが公表している試験結果や仕様を確認する必要があります。
また、屋根上で使用する製品であれば、屋外環境に耐えられる耐久性も重要です。
工場や倉庫の場合には、施工時に建物を停止できるかどうかも工法選びに影響します。
製品単体の性能だけで判断するのではなく、自社の屋根へどのように施工できるのかまで含めて比較することが大切です。
サーモバリアによる屋根遮熱
工場や倉庫などの屋根から伝わる熱に悩んでいる場合には、アルミ遮熱材「サーモバリア」を利用した暑さ対策も選択肢になります。
サーモバリアはアルミの反射性能を利用し、屋根から室内側へ伝わる輻射熱を抑えることを目的とした遮熱材です。
IRAKA THERMOでは、建物の屋根材や状態に合わせてサーモバリアを施工しています。
屋根への遮熱シート施工では、「どの製品を貼るか」だけでなく「どの位置へ、どの工法で施工するか」が重要です。
特に工場や倉庫では、折板屋根の形状や既存の断熱材、建物内部の設備、工場の稼働状況などによって適切な施工方法が異なります。
そのため、屋根に遮熱シートを施工したい場合には、まず建物の状態を確認し、屋根上施工や屋根下施工などから適した方法を検討しましょう。
遮熱塗料や断熱材を含めて比較しながら、自社の建物に適した暑さ対策を選ぶことが重要です。
カテゴリ:工場・倉庫の屋根遮熱対策ブログ



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